home spec materials crash! restoration
    ▲
Zagatoエンブレ Restoration
修復作業再開(現況1)

Count Day From
袋部分(フレーム)溶接作業 修復はキャビン側から始まった。 というのも、最初にコックピットから前、ノーズ部分をそっくり切り取ってしまったからだ。 左は、切り落としたサイドレールを、新しいもの(黒塗装部)に作り替えているところ。

何もない所から、前へ向かってパネルを溶接して組み立てていく。 完成した時に誤差が生じないように、何もない空中に目標を置きながらである。 根元の僅かな角度の狂いが、先頭までいけば数ミリの誤差になってしまう。 おおかたの噂どおり、SZの外殻はFRPと糊でできている。 糊はガラスに用いられるような、黒くて粘り気のあるものと、 パテのように硬化するもの。

無から造るための工夫
ボンドでペタペタ 各部の寸法データがなかったので、 所有している方々にお願いし採寸させていただいた。 各車寸法にばらつき多数。左右で仕上がり寸法が倍近く異なっていたことも。 また、FRPを剥がすと、 DIYショップで買えるアルミのL字アングルがボディ接着用の糊しろに無造作に使われていて、 製造ラインの作り手の気持ちすら感じられる。 SZは人の手で一つ一つ作られたクルマなのである。

届いたパーツは、仕上げがまずい。間違いも多い。 ラジエターの骨の部分など、155のものが届いた。 当然、形状はまったく異なる。リペア工場のマイスターは業を煮やして、 それをSZ用に改造してしまった。

大物パーツ(エンジンフード、バンパー、フェンダーなど)は1年のうちにほとんど届いた。 しかし、たったひとつの小さなパーツが届かず、それだけでさらに1年が経過。 事故から現在までどれだけの日数が経過したかは、 [Count Day From]をクリックしてみてください。

手に持っているのが事故車からの再生部分
エンジンの仮装着
いよいよボンネットの取り付け きれいに表面の仕上げられたボンネットをボルト締め。 バンパーも付いているが、こちらは合わせ見のための仮付けで、表面の最終仕上げ中。 しかしこの後、優れた腕と頭脳をもった板金塗装工は、突如、天国に召されてしまった。

 

写真右がフロント側 以前に問題の生じたステアリングのギアボックス。 U字形のギアボックスの固定金具は、上からボルトを入れ、 下でナット締めされるのだが、このナットが走行中に緩んで、脱落してしまう。

緩んだだけでも、ステアリングの遊びが無用に大きくなり、 ハンドルを切っても曲がらないという危険な状態に陥る。 まして脱落すれば、ギアボックスはケーシングごとハンドルの動きと共に回転してしまい、 ステアリングは反応しなくなる。

対策は、メンバーにナットを溶接すること。 本来なら回収修理ほどの重大な欠陥だが、SZはアルファロメオの正規輸入車ではないから、 自分で処置する。

U形のパーツを止めているボルトの下側のナットが脱落する
mailto:mocizuki@mac.com